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執筆者の写真広 天田

人生のキャンバス

更新日:2023年5月23日

年齢を重ねて不自由になることは、色々な要素が少しずつ姿を消していく一枚の絵のようなものです。まるで人生です。


様々な色の絵の具を使って書かれた絵が、ある人の人生の模様だとします。


その方の隣には、旦那さんがいて、子供たちに囲まれているかもしれません。

旅行が好きなら旅行先の風景が、趣味の楽器や絵画がすぐ手の届くところにあるかもしれません。料理を作るのが好きであれば、台所や調理器具があるでしょう。日曜大工が好きならトンカチやのこぎりもあることでしょう。そこに、パートナーと暮らした家に、花や果樹の手入れをした小さな庭がついているような絵です。


この方がお年を召すうちに、お子様は独立され、旦那さんも亡くなります。そのたびに、絵の上からそれぞれが消えていきます。足腰が不自由になって、ひとりで旅行に行けなくなれば、旅の場面が消えます。包丁が危ないとなると台所が無くなり、一人での生活が難しくなれば、家と大好きだった庭からも離れるようになります。そんな風にして、人生の絵にあったいろいろなものが、段々と少なくなっていきます。特養にいらっしゃるご利用者の絵は、きっとそんな様子でしょう。


私たち特養のスタッフは、年齢を重ねていくつもの大切なものが消えていてしまい、寂しくなっていく人生の絵に、新しい彩りを添えることができます。ミヤマの介護として、食事のお手伝い・オムツ交換・お風呂介助は、ほんの仕事の一部です。その人の想いや夢に寄り添い、失くしていった色々な絵の要素やその代わりになるものを取り戻すことです。


特別養護老人ホームみのわの里三山は創立後1年半年が経過しました。定員満床になり、志高い職員もそろっています。私たちは入居者一人ひとりのそばに寄り添い、おじいちゃん、おばあちゃんの手となり目となり、キャンバスに人生を描くお手伝いをさせていただきます。


添付はみのわの里三山のオープン時にご寄付いただいたに絵画です。


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