1. お察し上手な人が陥る罠
「お察し上手」な人は、他人軸になりやすい傾向があります。
他人の考え方を優先し、自分の行動を決めるのが他人軸です。他人軸になると、自分の気持ちを抑圧するようになります。周りの人の感情や言動に振り回されやすく、自分を見失ってしまいやすい「お察し上手」は、自分軸で生きることが大切です。
「お察し上手」な人でも、最初は自分軸で行動していることが多いですが、自分の行動が相手に伝わらないと、「わかってほしい」と思うようになり、自分軸が揺らいできます。不満を感じたときに自分の行動を止められないと、我慢や不満で心が乱されるようになります。そうして相手の反応に振り回される他人軸になってしまいます。
お察し上手は、自分軸であれば長所です。ですが、他人軸に変わってしまうと短所になり、自分を苦しめることになります。お察し上手な人も、もともと相手の気持ちを察して、主体的に行動していたはずですが、相手に感謝してほしいという欲求が生まれると不信や不満も生まれてきます。
2. 自分軸の作り方
他人軸から自分軸に踏み出すための第一歩として、アファメ―ションが大事です。
「私は私、人は人」という言葉があります。「私は私、AさんはAさん」のように振り回されていると感じる相手の名前を入れます。そして、1日に何十回、何百回と、このアファメーションを唱えるのです。
実践していくうちに、意識の中に「自分は」という言葉が増え、主体的に「自分はどうしたいのか」という行動を選べるようになる。毎日続ければ、3週間程度で変化を感じるはずです。
自分は相手の気持ちを察して動いているのに相手に自分勝手な行動をとられると、イラッとすることがありますね。そんなときに効果的なのが「私とあの人は違うから」という言葉です。相手を見限るわけではなく、ありのままを肯定することです。そして、自分を肯定するための言葉が「それが私だから」です。
相手の気持ちを考えて行動したにもかかわらず、裏目に出てしまうことがある。そんなとき、自分を責めたり、相手を悪者にしたりしがちです。ですが、実はどちらも悪いわけではなく、気持ちがすれ違っているだけということがあります。そんなときに「それが私だから」という言葉を意識してみよう。”自分を肯定することで、相手も肯定しやすくなる”はずです。
この「私とあの人は違うから」と「それが私だから」をあわせて意識することで自分軸が確立でき、気持ちが軽くなるはずです。察することが上手な人は、相手の気持ちに敏感であるがゆえに自分を責めやすい。自分で自分を守る意識はとても大切です。
3.自分らしさがあって、他人らしさが活きる
他人に気を遣いすぎる性格は、疲れますね。気遣いと心配りを重ね、「喜んでくれるはず」という期待にも応えてもらえず、せっかくの配慮を無視されたら疲れはたまる一方です。
「気を遣いすぎて、損ばかりしている」と感じている人が、自分軸のお察し上手になれれば、自分らしく幸せに生きるための一歩となるはずです。
会社でもよく言っていることですが、自分が笑顔でなければ、相手を笑顔にできません。お互いに幸せであって、幸福感は共に永く続くものです。お察し上手な心優しいひとほど、自分軸で自分らしく生きることで、他人もその人らしく幸せに生きることに繋がります。
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